歯で噛めることによる認知症・転倒との関係BLOG

2021/05/20

こんにちは!『家族みんなのかかりつけの歯医者さん』小倉南区下曽根のたんぽぽ歯科・矯正歯科の院長の吉用です。

 

今回は『歯と認知症・歯と転倒との関係』についてお話ししたいと思います。

 

●噛む機能の低下について

歳を重ねてくると、次第に噛めなくて噛み切れない食べ物が増えたという声を聞いたことのある方、経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

噛むこと(咀嚼)は噛み合わせ、歯の数、入れ歯等の状態、筋力、舌の動き、唾液など様々な要素が複雑に影響しあっています。

 

歯で噛めることによる認知症・転倒との関係2

 

そして、下の図のように噛めないからといって、柔らかいものを食べる、さらに噛む機能が低下していく、さらに噛めないという負の連鎖が始まります。

(引用:福岡県歯科衛生士会 歯科衛生士実践マニュアルより)

 

それが、お口全体の機能低下につながり、食欲が低下し低栄養状態となり、心身の機能低下へと更なる連鎖となります。(フレイルとも言います。)

 

お口の中のちょっとした衰えを歳のせいにせず、問題を見つけ、それを解決し、なんでも噛める状態を維持させていくことが、噛めること、そして全身の機能維持のためにも大切なことになります。

 

歯で噛めることによる認知症・転倒との関係3

 

●歯の本数と食事の関係

下の図は美味しく食べるために必要な歯の本数を示したものです。

いかがでしょうか?意識はしていなくても、知らず知らずのうちに避けていた食品はありませんか??

 

 

歯で噛めることによる認知症・転倒との関係4

 

もし、歯を失っていても、適切な入れ歯・ブリッジ・インプラントなどで歯を補っているようであれば、噛む力を完全ではなくても、ある程度回復させることができます。

 

しかし、歯を1本も失っていなくても、唾液、舌の動き、筋力、筋肉の動きなどがうまく連動・協調することができていなければ、美味しく、安全に食事をとることはできません。

 

歯で噛めることによる認知症・転倒との関係5

 

●歯と認知症・転倒の関係

こちらのグラフでは、歯がしっかりとあり、安定して噛むことができる方と、歯を失い入れ歯も入れずに安定して噛むことができない方での認知症発症リスクを示したものですが・・・

 

実は・・・歯がしっかりと残っている方と比較して歯が少なく入れ歯もしていない方の認知症発症リスクが1.9倍も高まることが報告されています。

 

歯で噛めることによる認知症・転倒との関係6

 

ところが、歯を失っていても、入れ歯を使用して安定して噛むことができる状況であれば、認知症発症リスクを4割抑制することができるのです。

噛めるということは、認知症の予防にも大切であることがわかります。

 

また、残された歯の本数および入れ歯(ブリッジ・インプラントも含む)の有無と転倒の関係を示したグラフになります。

 

歯で噛めることによる認知症・転倒との関係7

 

 

歯を失い、入れ歯等で歯を補うことなく、そのまま放置することで、転倒するリスクが2.5倍にもなるという報告もあります。

これは両方の奥歯でしっかりと噛めること、食事・栄養摂取がしっかりと行えていることの重要性を示したものでもあります。

転倒は骨折・寝たきり・施設への入所にも繋がり、生活に支障をきたす可能性が高まります。住み慣れた自宅で、いつまでも安全に安心して暮らすためにも、お口の中の環境を整えることは大変重要なことでもあるのです。

 

また、最近では歯周病と認知症の関係性も報告されております。

こちらのブログで詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。

リンク:歯周病予防で認知症も予防を!

 

このブログで歯を失ったけど、そのまま放置することのリスクを知っていただければ幸いです。

不安に感じていることや、歯のお悩みがあれば遠慮なくご相談ください!

 

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家族みんなのかかりつけの歯医者さん

たんぽぽ歯科・矯正歯科

院長:吉用 卓(よしもち たく)
国立大学 長崎大学歯学部出身
福岡県北九州市小倉南区沼本町1丁目10-2
HP:https://www.tanpopo-kokura.jp

TEL:093-475-4182

歯並び 審美 ホワイトニング 親知らずのご相談随時受付。
診療科目:一般歯科 口腔外科 小児歯科 矯正歯科

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