人工透析を受けている方や慢性腎臓病(CKD)の歯科治療についてBLOG

2021/11/30

こんにちは!『家族みんなのかかりつけの歯医者さん』小倉南区下曽根のたんぽぽ歯科・矯正歯科の院長の吉用です。

 

最近のブログでは持病をお持ちの方向けの内容が多いのですが、持病をお持ちの方にはぜひ知っていただいて欲しいことでもありますし、関係ないと思っていても、いつ病気にかかり他人事でもなくなる可能性もありますので、ぜひお読みいただけたら幸いです。

 

今回は『人工透析を受けている方や慢性腎臓病(CKD)の歯科治療について』という内容でお話したいと思います。

 

人工透析という言葉は聞いたことのある方が多いのではないかと思います。腎臓は血液をろ過し老廃物や有害物質を尿として体外に排出させるという生きていく上で欠かすことのできない大事な役割があります。

 

人工透析は何らかの原因でうまく働くことができなくなった腎臓の代わりに、体内に蓄積した余分な水分や老廃物、有害物質を取り除く治療法です。

 

人工透析を受けている方や慢性腎臓病(CKD)の歯科治療について2

 

今回のタイトルに挙げております、慢性腎臓病(CKD)という言葉は聞き慣れない方も多いのではないかと思います。

言葉の通り、慢性的に経過する全ての腎臓病ということで、実は成人の8人に1人以上の割合で慢性腎臓病とされており、意外にも身近な病気なのです。

 

この慢性腎臓病は進行すると人工透析が必要になってしまう可能性があり、決して他人事ではありません。

 

人工透析を受けている方や慢性腎臓病(CKD)の歯科治療について3

 

●歯科治療で注意しなくてはならない腎不全の身体の変化

 

腎臓病や人工透析と歯科治療、関係ないように感じるかと思いますが、腎不全が進行していると注意しなくてはいけない身体の変化が見られるようになります。

 

①高血圧

高血圧から腎不全を生じることもありますが、腎不全から高血圧となることもあり、高血圧は注意しなくてはなりません。

 

歯科治療は緊張される方も多く、気が付かない間にストレスとなっていることもあります。診療中に血圧が上昇することもあるため、血圧測定や頭痛や吐き気などの症状が見られないか注意していく必要があり、適宜血圧測定を行う必要があります。

 

②他の生活習慣病が見られる可能性

慢性腎臓病は他の生活習慣病(高血圧症、糖尿病、脂質異常症など)から引き起こされることが報告されております。

 

高血圧に対しては①で解説させていただいたことに注意が必要となりますし、糖尿病に対しては下のリンクより、ブログで詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。

 

リンク:糖尿病がある方の歯科治療について

 

③免疫異常より生じる腎不全

ステロイドを投与されている場合や免疫抑制剤を投与されている場合があり、抜歯など侵襲の大きな治療を行う場合には主治医の先生に問い合わせを行いながら、問題なく処置を行えるか判断していきます。

 

④血液サラサラの薬(抗血栓薬)を飲んでいる可能性

人工透析を行っている場合、シャントと呼ばれる血液を効率よく取り出すための血管を繋ぎかえる手術を受けていることが多くあります。そのシャントが塞がらないよう、血液をサラサラにするお薬を飲んでいることが多いため、出血を伴うような抜歯などの治療には注意が必要となります。

また、慢性腎臓病により腎機能が低下してくると心房細動を生じるリスクが高まるため、慢性腎臓病の方に血液サラサラのお薬が投与されることもあります。

 

下のブログで血液サラサラのお薬を飲んでいる方の治療について詳しくお話ししておりますので、ぜひご覧ください。

 

リンク:血液サラサラにするお薬を飲んでいるけど、抜歯できる?

 

⑤貧血

腎臓の機能が低下すると、赤血球が作る機能も低下するため、貧血を生じてしまう可能性があります。

 

 

●人工透析を行っている方の歯科治療で注意しなければならないこと

通常の歯科治療であれば上記で説明させていただいた注意事項と同様ですが、人工透析を行っている場合は、さらに注意するべきことがありますので、解説させていただきたいと思います。

 

ここでいう人工透析は病院で行う血液透析を指します。(腹膜透析の方は当てはまりません)

 

①抜歯などの出血を伴う大きな処置は注意が必要

人工透析を行っている場合、透析の際に血液が固まらないようにするため、ヘパリンと呼ばれる薬剤を全身に投与します。ヘパリンは分解が早いため60分で血中量が半分程度に減少しますが、透析当日は出血しやすい傾向があるため、透析翌日が理想ではあります。

 

②血圧測定を行う腕に注意

血圧測定では腕を縛り血液の供給を抑えてしまいます。シャントが血圧測定をシャントが作られている側の腕で行ってしまうと、シャントが閉塞してしまう可能性があるため、原則行ってはいけないとされています。

 

③血圧の変動

歯科治療のストレスにより、血圧に変動が起きてしまう可能性があります。透析後に水分量が減少し、低血圧となっていたり、そもそも腎不全による高血圧となっている可能性があるめ、血圧変動には注意が必要となります。

 

人工透析を受けている方や慢性腎臓病(CKD)の歯科治療について5

 

このように人工透析を行っている方や慢性腎臓病となっている方の歯科治療では様々な注意点があります。

 

また、歯科医院でもお薬を出すことがありますが、腎臓に何か問題がある方には腎臓にできるだけ負担をかけないお薬をお出しするようにしています。腎機能の状態によっては主治医の先生に相談しながら投与するようにしております。

 

当院では様々な持病をお持ちの方でも安心して治療を受けてもらえるよう、配慮しております。

 

人工透析を行っていたり、腎臓の状態が悪く、なかなか歯科治療を行うことができていないなどがございましたら、ご相談いただけたらと思います。

 

何か不明点がございましたら、遠慮なくご相談ください。

 

 

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家族みんなのかかりつけの歯医者さん

たんぽぽ歯科・矯正歯科

院長:吉用 卓(よしもち たく)
国立大学 長崎大学歯学部出身
福岡県北九州市小倉南区沼本町1丁目10-2
HP:https://www.tanpopo-kokura.jp

TEL:093-475-4182

歯並び 審美 ホワイトニング 親知らずのご相談随時受付。
診療科目:一般歯科 口腔外科 小児歯科 矯正歯科

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