糖尿病がある方の歯科治療についてBLOG

2021/11/26

こんにちは!『家族みんなのかかりつけの歯医者さん』小倉南区下曽根のたんぽぽ歯科・矯正歯科の院長の吉用です。

 

今回は『糖尿病がある方の歯科治療について』という内容でお話ししたいと思います。

 
現在、成人の6人に1人が糖尿病あるいは予備軍とされており、決して他人事とは言えない状況になってきています。
 
 
一見、糖尿病とお口の中はあまり関係ないような印象があるかと思います。
まずは糖尿病で見られるお口の中の変化について解説したいと思います。
 

糖尿病がある方の歯科治療について2

 

●糖尿病で起きるお口の変化

 

①口腔乾燥

糖尿病になると、糖分を排出しようとするため、多尿となります。その影響を受け、細胞の水分量が減少するため、唾液の分泌量が減少してしまいます。

 

②歯周病発症・悪化

唾液の分泌量が減少してしまうため、歯周病菌が増殖しやすい環境となります。

また、高血糖状態が続くと、白血球などの免疫に関わる細胞の機能が低下してしまいます。さらに高血糖状態だと歯茎等の歯の周囲の血行が悪くなると言われており、より免疫機能が低下してしまいます。

以上のことから、糖尿病だと歯周病菌が活躍しやすい環境ができるため、歯周病を発症・悪化しやすくなります。

 

③口臭

①と②が関与してくるのですが、唾液の量が減少すると、お口の中の汚れが流されにくくなります。また、細菌量が増加しやすくなるため、口臭の原因となる細菌(特に歯周病菌)も増加してしまいます。

また、日常生活に必要となるエネルギーを生み出すために、通常であれば糖を分解していくのですが、糖尿病が進むとインスリン不足による糖の代謝がうまく行かないため、脂肪やタンパク質を分解しエネルギー源にするため、ケトン体と呼ばれる物質が副産物として作られてしまいます。

すると、酸っぱい匂いが特徴のアセトンと呼ばれる物質の濃度も高くなるため、酸っぱい匂いが強い口臭となります。

 

④虫歯になりやすい

唾液の量が減るため、虫歯の原因菌も増殖しやすくなります。そのため、虫歯リスクも増加してしまいます。

 

糖尿病がある方の歯科治療について3

 

●歯科治療を行っていく際の注意点

①感染しやすい

糖尿病のコントロールが不十分だと、抜歯などの傷からお口の中の細菌が血管に侵入し、全身に細菌が回ってしまう菌血症という状態になり、それが重症化しやすいというリスクがあります。

 

②傷が治りにくい

感染しやすいという特徴からも、感染を起こすと傷が治りにくいことにもつながります。

また、糖尿では血流障害、神経障害、免疫機能低下という症状が見られます。

血流障害:『歯周病発症・悪化』でもお話ししましたが、高血糖状態が続くと血行が悪くなります。これは高血糖状態が継続することで動脈硬化になりやすくなることにあります。すると、血流が悪くなるため、傷が治るために必要な栄養素や酸素が届きにくくなります。

 

神経障害:神経がダメージを受けやすくなるため、傷ができても感覚が鈍くなっているため、悪化するまで気が付きにくくなります。

 

免疫機能の低下:高血糖状態では白血球などの免疫に関与する細胞が機能しにくくなり、小さな傷でも感染しやすくなり、治りにくくなります。

 

③診療時間に注意

低血糖状態になると気分が悪くなったり、頻脈、発汗などの症状が発作として現れれてしまうリスクが上がります。そのため、低血糖になりやすい食事前での治療は避けたほうが良いです。

インスリン注射を行っている方は、注射後と歯科治療までの時間が短いほうが望ましいとされます。

 

④低血糖発作に注意

③のことに気をつけていても、低血糖発作を生じてしまう可能性があります。そのため、糖分が多く含まれるジュースやあめ玉を持参しておくことをオススメいたします。

 

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以上のことから、歯科治療において、抜歯やインプラントなどの大きな処置が必要な際には特に注意が必要となります。

 

糖尿病のコントロールが良好な場合には特に気にする必要はないのですが、安全に処置ができ、良好な治りを考慮するとHbA1c7.0%未満、空腹時血糖100~140mg/dl、食後血糖160~200mg/dl未満が望ましい数値となります。

 

ただし、例外的に抜歯などの処置をせざるを得ない場合には処置を優先することもありますので、その症状や状況に応じて判断することになります。

 

糖尿病がある方の歯科治療について5

 

これまでお話ししたように、糖尿病があり、特にコントロールが上手くいっていない場合、細菌による感染が起こりやすくなり、歯周病や傷の治りが悪くなりやすいのです。

 

治療しなくても良いように、予防していくことが大変重要となります!

 

普段からの歯磨きやフロスによるお口のケアがより大切になり、また定期的な歯医者さんでのクリーニングがとても重要となります。

定期検診については下のブログで詳しくお話ししておりますので、ぜひご覧ください。

 

リンク:定期検診(メインテナンス)って何をするの?

 

歯周病が進行してしまうと歯を抜くしかない場合も起こりうる可能性が高まりますので、糖尿病を持病としてお持ちの場合は特に気をつけていただければと思います。

 

何か不安なことやお悩みがございましたら、遠慮なくご相談ください♪

 

 

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家族みんなのかかりつけの歯医者さん

たんぽぽ歯科・矯正歯科

院長:吉用 卓(よしもち たく)
国立大学 長崎大学歯学部出身
福岡県北九州市小倉南区沼本町1丁目10-2
HP:https://www.tanpopo-kokura.jp

TEL:093-475-4182

歯並び 審美 ホワイトニング 親知らずのご相談随時受付。
診療科目:一般歯科 口腔外科 小児歯科 矯正歯科

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