マタニティ歯科(妊娠期の治療や予防)・妊婦歯科健診の大切さについてBLOG
2022/05/09
こんにちは!『家族みんなのかかりつけの歯医者さん』小倉南区下曽根のたんぽぽ歯科・矯正歯科の院長の吉用です。
今回は
『マタニティ歯科(妊娠期の治療や予防)・妊婦歯科検診の大切さ』
という内容でお話ししたいと思います。
以前のブログで『妊婦歯科検診は何のために受けた方がいいの?』という内容で妊産婦歯科健診について解説しておりますので、ぜひご覧ください。
それでは、まだまだ聞き慣れない言葉である『マタニティ歯科』について詳しく解説していきたいと思います。
マタニティ歯科とは?
マタニティ歯科は妊娠中のお母さんと今後生まれてくる赤ちゃんのマイナス1歳からの予防歯科です。
お腹の中にいる赤ちゃんの安全を第一に考え、出産までの妊娠中特有のお口のケアやアドバイス、そして生まれてきた赤ちゃんのお口の健康を守るために大切なアドバイスを行なってまいります。
妊娠中はホルモンバランスが大きく変化し、つわりの影響、偏食などから普段よりお口のトラブルが起こりやすくなります。
マタニティ歯科では、赤ちゃんの安全を第一に考え、治療の計画を立て、妊娠中のお母さんたちの負担を軽減した治療を行うことはもちろんのこと、10ヶ月にも及ぶ長い妊娠の期間を安心して過ごしていただくため、通常と異なるお口のケアやアドバイスを行なってまいります。
マタニティ歯科の目的
①生まれてくるお子さまの虫歯を予防する
お子さまはお母さんのお口の健康状態の影響を受けるということをご存知でしたか??
まず左側のグラフですが、こちらはお母さんに虫歯がある場合と虫歯がない場合での2歳児での虫歯発生率について報告されたものです。
なんとお母さんたちのお口の中に虫歯があると、お子さまが2歳児の時に虫歯が発生するリスクが約3倍も高くなるのです。それはなぜなのでしょうか?
その原因について解説していきたいと思います。
そもそも、生まれたばかりのお口の中には虫歯の原因となる細菌は存在しておらず、虫歯は細菌が感染して起こしてくるものなのです。
それは特に身近な存在でもあるお母さんたちが大きく関係しています。
右のグラフでは定期的に歯医者さんでお口の清掃・虫歯等のチェックを行なっている方と行なってない方の、お子さまの虫歯原因菌(この報告では原因菌の1種であるミュータンス菌)に感染している割合を示したものです。
虫歯の原因菌の感染源は決してお母さんたちだけではありませんが、特に低い年齢の頃はお母さんと接することが圧倒的に多くなる傾向にあります。
年齢とともに感染する割合はどうしても高くなりますが、低年齢の早い段階で感染すれば、それだけ虫歯のリスクも高まってしまうというわけです。
つまり、生まれてくる前、もしくは生まれても早い段階でお母さんたちのお口の中の環境を整えておく、定期的にメインテナンスなどでお口の清掃を行い細菌を増殖させておかないことが、お子さまの虫歯を予防していくことに実は繋がっていくのです。
②妊娠期・出産前後でお口のトラブルを起こさせない
受診された時期とお口の中の状態によって異なりますが、マタニティ歯科では出産直前・直後の歯医者に行きたくても行けないような状況下で痛いなどのトラブルを起こさせないという大きな役割があります。
基本的に安定期はほとんどの歯科治療は安全に行うことができることが多いため、妊娠初期の頃は応急処置を行い、安定期にしっかりと治療を行うように計画を立てていきます。
しかし、出産直前の後期は母子の負担が大きくなったり、破水や陣痛を招いてしまう可能性もあります。
そのため、出産直前の時期は応急処置を行い、出産直前直後でお口の中にトラブルが起きないようサポートしていきます。
そして、出産後、落ち着いたタイミングで残された治療をしっかりと治し、虫歯の感染リスクを下げていくことが必要となります。
過去のブログで『妊娠中の歯科治療は大丈夫??』という内容で詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
③虫歯・歯周病の発生・進行予防
妊娠中はつわり、ホルモンバランスの変化、偏食などにより実は虫歯・歯周病になりやすい環境となっております。
こちらも過去のブログで詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
このお口の中で起きやすくなるトラブルを悪化させない、進行させないために知っておいてもらいたいことをマタニティ歯科では院長執筆の冊子を用いて詳しく解説しております。
妊娠期から虫歯・歯周病予防の意識を持っておくことが、お子さまの虫歯・歯周病予防につながるため、私たちも大切にお話をさせていただいております。
④母子への影響を最低限に抑えた診療
妊娠期間は胎盤を通じてお母さんの影響や酸素を分けてあげながら、赤ちゃんはお腹の中でスクスクと成長していきます。
そのため、お薬やお酒、食事、そして治療でのレントゲンなどの影響を心配される方も多いのですが、大切な赤ちゃんのことですので、気にされて当然かと思います。
歯科治療に関わることをいくつか解説していきたいと思います。
●放射線
虫歯や歯周病の診断では欠かすことのできないものがレントゲンになります。
しかし、レントゲンには被曝という問題がどうしてもつきまといます。
当院では妊娠初期の方に対しては原則としてレントゲン撮影を行っておりません。
妊娠中期以降の方は撮影しなければ診断をつけることができない場合に限り撮影をさせていただいております。
そこで、当院では被曝を抑えるための取り組みについて簡単にご紹介させていただきます。
・防護エプロン:余計な部位、特にお腹に被爆することを防ぎます。
・デジタルレントゲン:デジタルレントゲンシステムを導入しているため、従来のレントゲンよりも低被曝となっています。
こちらも『歯医者で使うレントゲンは身体に影響はないの??』
●麻酔
麻酔の薬は基本的に局所で吸収・分解されるため、胎児や母乳への移行はわずかとされており、影響は少ないとされています。
歯医者さんの麻酔薬はかなり長い歴史で使用されているため、妊娠中での使用も確証されたものでもあります。
しかし、薬であることには変わりはありませんので、使用を躊躇される方も多いのも事実です。
痛みを我慢し続けながら治療を受ける方が、ストレスや過度の緊張にもつながるため、母体にも赤ちゃんにとっても決して良いとは言えません。
可能な限り負担の少ない治療を優先することをオススメしております。
基本的には麻酔しないことと比較して、麻酔をすることによるメリットが上回る際に使用すると考えていただければと思います。
●薬
お薬も麻酔薬と同じ考え方となりますが、できる限り胎盤を通過しない薬や影響が少ないとされている薬を選択してお出ししております。
こちらもお薬を飲んでいただく方がメリットが大きい場合のみお出しすると考えていただければと思います。
●仰臥位低血圧症候群(ぎょうがいていけつあつしょうこうぐん)
これは妊娠後期になると、あお向けで寝ると、大きくなったお腹が下大静脈を圧迫することで低血圧を生じ、気分の悪さや冷や汗、めまいが出てしまうことがあります。
実際に私自身も診療中に低血圧を生じてしまった方にお会いしたことがあります。注意していても起こる可能性があり、妊娠期間中の歯科治療は大変注意を必要とします。
万一、低血圧を起こしてしまった場合には左向きに寝てもらうことで下大静脈の圧迫を解除することができるため、改善してくるのですが、治療には制限があります。
当院では妊娠後期でやむを得ず治療を行う場合には、イスをかなり起こした状態で診療を行なっております。
決して、妊娠期間中に無理な治療を行うことはなく、先ほどもお話ししたように、出産直前直後でお口にトラブルを起こさせないことが最も大切なことですので、最低限の治療にとどめ、出産後に落ち着いたタイミングで残りの治療を行なっていきます。
妊娠期の歯科治療に関しては先ほども紹介させていただいた、
というブログでより詳細に記載しておりますので、ぜひご覧ください。
そして、私たちは妊娠期に来院され、マタニティ歯科を行っていく方たちには、お子さまのお口の成長に合わせたお口のケアに関する簡単なアドバイスやお子さまの歯を健康に守る上で必要な知識をお話しさせていただいております。
お子さまが生まれる前に知っていただくことで、マイナス1歳の予防歯科を達成させることができるため、皆様に知っていただけるよう当院としても取り組んでおります。
また、妊娠がわかったら、早めに妊婦歯科健診の受診をオススメしております。
当院は北九州市登録歯科医療機関に指定されておりますので、お気軽にご相談ください。
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家族みんなのかかりつけの歯医者さん
たんぽぽ歯科・矯正歯科
院長:吉用 卓(よしもち たく)
国立大学 長崎大学歯学部出身
福岡県北九州市小倉南区沼本町1丁目10-2
HP:https://www.tanpopo-kokura.jp
TEL:093-475-4182
歯並び 審美 ホワイトニング 親知らずのご相談随時受付。
診療科目:一般歯科 口腔外科 小児歯科 矯正歯科
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